【大学の授業まとめ】人的資源管理論(採用、報酬と心理的側面の関わり)

このシリーズでは、経済学部の僕が大学の授業でやったことをまとめたものとなっております。授業理解の促進という目的だけでなく、「大学の授業ってどんなことやるんだろう」と疑問をお持ちの方や「ちょっとした教養を身に着けたい」という方などにも有益な情報をお届けできるのではないかと思います。

 

今回のテーマは「人的資源管理論(採用、昇進昇格と心理的側面の関わり)」です。

 

このテーマは会社で社員の方々に快適に、高パフォーマンスで働いてほしいという管理者側に必要な考え方を教えてくれます。まず企業に就職してから大体の人は下のようなステップで退職まで過ごします。

step1: 採用(社外から採用される)

step2: 配置(それぞれの場所に配置される)

step3: 教育(教育される)

step4: 整備(労働環境や働き方が整備される)

step5: 評価(仕事ぶりが評価される)

step6: 昇進・昇格

step7: 報酬(報酬が与えられる)

step8: 退職

今回考える場所は「採用」と「報酬(評価、昇進・昇格)」です。

 

まず「採用」からお話しします。「採用」では、職場で活躍してくれる人と職場を乱す人を見極める必要があります。日本では解雇を簡単にはできないので、企業にとって一人採用するにつき大体3億円ほどの支出をしなければなりません。なので人事採用は企業にとって非常に大切なのです。ここでは心理的観点から採用にアプローチしてみようと思います。

 

まず職場を乱す人の特徴としてナルシシズムサイコパスマキャベリズムの3つ挙げられます。

ナルシシズムは自己愛性傾向が強い人です。自分を特別扱いしてほしいという願望が強いため協調性が低い傾向にあります。

サイコパスは刺激に鈍感で共感能力が低い傾向の人です。

マキャベリズムは目的達成のためならいかなる手段も用いるという性格のことです。

以上のような性格を持つ人を採用すると普通の人よりは職場を乱しやすい傾向にあり、採用するときは注意が必要だといえるでしょう。

 

そして、職場で活躍する人の性格特性についてです。軍隊で訓練をやめる人とやめない人の研究などから近年重要成功要因としてGRITという性格特性が重要視されています。GRITはざっくりいうと「やりぬく力」のことで、逆境でも執念深く問題に対処し、粘り強く努力してやり遂げる力のことです。IQなどよりも重要な成功要因なのではないかといわれるほどです。この特性を持つ人を採用すると、普通の人よりは職場で活躍してくれる傾向が高く、採用する基準としてみるのもよいのではないでしょうか。

 

次に「報酬」です。会社で報酬といえば給料アップやボーナスなどが思い浮かびますが、このドッグトレーニングのようなモチベーションの上昇方法は注意が必要です。人間は報酬をもらうことで二つの反応を示します。

一つ目が強化。強化とは、我々が想定するように頑張ればお金がもらえるから、もっと頑張ろうというモチベーションアップにつながることです。このような傾向を示す人ももちろんたくさんいます。

二つ目がアンダーマイニング。これは好きだったり、好奇心でやっていたことにお金をもらうことで、逆に冷めてモチベーションが下がってしまうことです。好きや好奇心、興味などの自分の内側から湧いてくるモチベーションは、お金や人に褒められたいという自分の外側から何かされたいというモチベーションに置き換わってしまいやすく、報酬を与えるときは働き手のモチベーションの種類に気を配ることが大切です。