【大学の授業まとめ】完全競争市場とは?

このシリーズでは、経済学部で受けた授業をまとめたものをお届けします。もちろん自分の勉強のためではありますが、「大学の授業ってどんなことやるんだろう」と疑問をお持ちの方や、「ちょっとした教養を身に着けたい」という方におすすめです。

今回のテーマは「完全競争市場とは?」です。

皆さん完全競争市場という単語を聞いたことがありますか。経済学を学んだ人なら聞いたことがあるかもしれません。完全競争市場は経済学でよく用いられる「前提条件」です。現実はとても複雑で全部を数式化することはできないので、まあ大体これくらいが正しいよね、って感じでおかれる前提のことです。なので、この仮定がすべて現実と一致することはほとんどあり得ないですし、非現実だなとさえ思えます。だけど、この前提を置くことで見えてくる経済の姿もあるのです。

では、この完全競争市場の内容を見てみましょう。大体5つくらいの条件で書かれます。

  1. すべての財は同質財である。(同じ財がすべて同じであること ガソリン、)
  2. すべての供給者がプライステイカーであること(1企業の行動が価格に影響を与えない→価格は固定されてる)
  3. 市場への参入退出が自由(儲けと思ったら参加できるし、損だったら出てっていい)
  4. すべての財に市場が存在
  5. 需要者と供給者の間に同様の情報が平等に与えられている

どうでしょうか。これら条件が成り立つと、個々人の需要者は効用最大化、供給者は利潤最大化行動をとることで、社会的に一番幸福な状態になるという話がされます。いわゆる社会的余剰が最大になるのです。社会的余剰っていうのは、需要曲線と供給曲線の×の左側の部分です。(→×)

つまり、完全競争市場が成立するなら、政府が価格調整や数量調整、徴税をすることで、社会的余剰が小さくなって、社会的な幸せが減るから、政府は介入しないでくださいという論理が成り立ちます。しかし、これが成立しないため、政府が役割を果たしてくれないと困ってしまいます。