【大学の授業まとめ】GDPとは?

このシリーズでは、経済学部で受けた授業をまとめたものをお届けします。もちろん自分の勉強のためではありますが、「大学の授業ってどんなことやるんだろう」と疑問をお持ちの方や、「ちょっとした教養を身に着けたい」という方におすすめです。

今回のテーマは「GDPとは?」です。

皆さん、GDPという単語を聞いたことがありますか。おそらくニュースなどで多く耳にしたことがあると思います。しかし、GDPの定義を知っていますか。今回はそんなGDPをもう少し深堀してみようという話です。

では、GDPの定義とは何でしょうか。これは大体「1国で生産された付加価値の総和」という説明がされます。では、付加価値とは何でしょうか。これは、あるものに新しくくわえられた価値という意味です。例えば、ぬいぐるみを売るとき、毛糸を10円で買って、その毛糸を加工してぬいぐるみを作って、100円で売ります。この時、10円の価値しかなかった毛糸を加工したことで、90円プラスされた100円の価値を持ったぬいぐるみが生まれました。この90円が付加価値というものです。

またGDPは中学校の授業などで、「総産出額-中間投入額」と習いますが、これは簡単に言うと、「完成品からの儲け-材料費」ととらえることができます。このようにして、GDPは日本中でどれだけ材料を使って新しいものが作られたのかを見ることができます。また、日本で作られたものは分配されるので、GDPは生産面と分配面でみると必ず等しくなります。

では、分配面でGDPを見てみましょう。分配とは、平たく言うと、我々の所得です。頑張って生産した分どれだけ返ってきてるの?ってことです。分配面でみると、GDPは、

営業余剰・混合所得、雇用者報酬、間接税-補助金、固定資本減耗

で構成されています。いきなりですが、ここで、我々の経済に出てくる3人のキーパーソンを紹介します。家計、企業、政府です。基本的に家計と企業で経済を回して、不具合が起きたところを政府が補ってくれているという構図です。彼らをもとに、この分配面でのGDPの構成要素を見てみましょう。

まず、営業余剰とは、簡単に言うと企業の所得です。頑張って生産した分を営業余剰という形で企業にお返しします。

そして、混合所得とは、社長さんの所得です。なぜこんな分け方をしているかというと、社長さんは家計でもあり、企業でもあります。だから、それらを混合した所得という言い方をします。

次に、雇用者報酬です。これは企業に属する従業員の人たちがもらう所得です。つまり、家計がもらう分ですね。

また、間接税-補助金というのは、流れからわかるように政府の取り分です。

ですので、以上の4つは家計、企業、政府という観点でGDPを見ると、当然の分け方だと見えるわけです。

そして、最後に固定資本減耗ですが、これは、固定資本の価値の減少分が計上されています。つまり、機械や建物が時間を経るたびにだんだん壊れていったりすることによる価値の減少です。ですので、私たちが新しく生産した分は完全には私たちのもとに返ってこないということです。

なので、「GDP-固定資本減耗」をNDP(国内純生産)といって、本当の我々の取り分だけでGDPを見るという指標もあります。